高校野球界に衝撃が走る~機動破壊の恐ろしさ~

ついに始まりました第89回選抜高等学校野球大会。
略して、センバツ
3月19日~30日の12日間は、高校野球好きの僕にとっては最高の日々が始まります。

でも、今回のセンバツは僕の出身県である神奈川からは出場校はゼロ
これは残念としか言いようがない…。
神奈川県と言えば、“横浜高校”、“慶応高校”、“東海大相模高校”、“創学館高校”みたいに甲子園に行けば、他県と同等に戦える高校はたくさんあるのに。
センバツはなぜ出場できないのか。
改めてセンバツに出場する選考基準についてまとめてみましょう。

センバツに出場するにはどうすればいいの?


センバツに出場するためには、4月からの新チームで戦う最初の公式戦でもある、秋季大会・地区大会での成績が最重要項目となるそうです。
神奈川の場合は、秋季の神奈川県予選で上位2チームが秋季関東地区大会へ出場。
その秋季関東地区大会で上位に食い込めないと出場できないとのことのようです。
通年は、この秋季関東地区大会でベスト4に入るとセンバツ大会に出場してます。
今回(2017年)の秋季関東地区大会を例に上げると、神奈川県から出場した高校は“横浜高校”と“慶応高校”の2チーム。
しかし、この2チームとも準々決勝で敗退
そのため、惜しくもベスト4に入れず今年のセンバツには出場できなかったというワケなんですね。
秋季関東地区大会から出場するチームは下記の4校。
作新学院(栃木県)、前橋育英(群馬県)、健大高崎(群馬県)、東海大市原望洋(千葉県)。

神奈川の高校に勝ったんだから、その調子でセンバツ優勝せーよ!!!笑

「健大高崎高校」≒「パワプロ 流星高校」

高崎健康福祉大学高崎高等学校、略して健大高崎

高校野球好きの人なら1度は聞いたことがあると思います。
高校野球に興味のない方もこの高校は覚えておいても損はない。
それはなぜ?

あなたの野球の概念をひっくり返させられるから。笑

「野球の概念って言いすぎだろ…笑」って思っているあなた。
このチームの戦い方は本当にすごい。
健大高崎のスローガンは「機動破壊」

スローガンを掲げている通り、このチームは俊足だらけ。
野球はバットで打って、走って、点を取りながら勝つスポーツ。
なのに、このチームはある意味、走るだけで勝てるチームなのです。
その裏付けとして、こんな本まで出版されているほど。
 

よく野球を見ていると「機動力」という言葉を耳にする。
簡単に一言でいうと、足で相手チームを搔き乱すための戦略の1つである。
この健大高崎高校のスローガンは「機動破壊」。
機動力を最大まで鍛えて相手に勝利する。
まだ、あまり信じていないあなたは、この動画を見てほしい。


以前からある言葉としては「機動力野球」があるが、「機動破壊」という言葉にはそれ以上のインパクトがある。
盗塁をはじめとする走塁から流れを作り、結果として勝利する。
この戦術は、日本代表がよく言われる「スモールベースボール」に似ていると思う。
いかに盗塁を成功させるか、相手の心理を搔き乱すかを最重要なってくる。
実際に、実況パワフルプロ野球という有名野球ゲームでも同じようなチームがある。

そのチームが「流星高校」である。
高校名の通り、選手の足が全員上位能力があり、内野安打・盗塁が当たり前のチームだ。
打ち取ったボールが内野安打となり相手選手が出塁。
その選手が盗塁をして、瞬く間にピンチを迎える。
これをやられるとゲーム上でも嫌な気持ちになってくる。
また、現実の甲子園でやるんだから、恐ろしい。

でも、なぜか一部のファンからは叩かれている!?


しかし、この戦術は褒められるだけではない。
中には批判されている部分もあるのが事実。
その批判されている部分として挙げられるのが、大きく2点。

「サインの盗み読み」と「大量得点時の無慈悲盗塁」である。

まずは、「サインの盗み読み」に関して。
一言でいうと、野球をする上で欠かせないサインを盗み読むこと。
盗塁を行う上では、数々の気にしなければいけない項目があります。
ピッチャーの投げるモーションのクセや球速・球種、そして捕手の肩など。
その中の1つは、あることをすると簡単に球種を見分けることができます。
それは、2塁ランナーとして出塁すると球種が簡単にわかる。
投球する前に投手は捕手とサインの交換を行い、球種等の決定を行います。
それは投手の背中側に回れば簡単にサインを見ることができるのです。
これを「サインの盗み読み」といい、野球規則にも記載されています。
例え見えてしまったとしても、バッターにサインを送らなければ問題はない。
あまりの盗塁数の多さにこれを疑うファンもいるのです。

もう1つの「大量得点時の無慈悲盗塁」に関して。
以前、健大高崎高校は大量リードをしている試合で、容赦のない盗塁&盗塁を繰り返し、その名の通り機動破壊を見せた試合がありました。
もちろん、ルール上で大量得点時の盗塁禁止なんてものはありません。
しかし、野球には「暗黙のルール」というものがあります。
どんなスポーツにも暗黙のルールはあると思います。
野球の場合の例としては、
「バントのフォームのバッターに対して背中側への投球は禁止」
「大量リードをしている相手に対して盗塁は制限する」など。
あくまで、暗黙のルールなのでルール違反なんてことにはならないのですが…。
ある一定のファンからは、「暗黙のルールをしらないのか!」なんて叩かれているのも事実。

僕個人としては、高校野球は9回裏に9点差をひっくり返すなんてこともよくあるので、大量リードでもそんなルールは気にせずに、緩まずに走り続けるのも全然いいと思います。

機動破壊で全国制覇を


そんな健大高崎高校が、今日から開幕のセンバツに出場します。
22日に1回戦で北海道代表の札幌第一高校と戦います。
神奈川県からの出場がない僕からすると、今年のセンバツは健大高崎高校を応援したいと思います。

スローガンでもある「機動破壊」でどこまで勝ち残れるか。
楽しみに試合を見たいと思います。

最後に「機動破壊」を雑誌Numberでも取り上げられているので、その記事も紹介しますね。
「機動破壊」が壊した常識と精神。健大高崎が甲子園に残した“衝撃”

それではー、SoraTOMOでした!